シェパードの繁殖では、現在HD(股関節形成不全)/ED(肘関節形成不全)がA評価であることが世界基準で推奨されています。
こちらは両親が共にA評価だったとしても、その子犬たちが全てA評価になることは確実ではありませんが、DMについては遺伝子検査でほぼ100%避けることができます!



陰性、陽性、キャリアとは?

DMは遺伝子検査によって、陰性・陽性・キャリアと3種類の結果がでます。

*陰性(発症しない)
*陽性(発症する可能性が高い)
*キャリア(DMについては発症しません。子孫に遺伝する可能性はあります)


※参考:遺伝子検査の表記について
(遺伝子検査の結果に関して、検査機関や資料によって用語が異なっていることがあるので、一覧表を作ってみました。)

*遺伝子レベルの事は未解明のことが多く、断定はできません。*






*遺伝子の組合わせ表
(PDFファイル:585KB)

キャリア犬は病気ではない

キャリア犬に対して、認識の誤解や偏見が持たれてしまいがちですが、キャリア犬は基本的に『発症しない』と言われています。

ノーマル(陰性)犬と同様に、日常生活はもちろん、訓練・ドッグスポーツ・展覧会、いずれの世界でも楽しめますし、繁殖を考えない方は一切悲観する事ではありません。
交配相手に『必ずノーマル犬を選択』する事によって、その資質を未来に繋げていく事は出来ます。

現時点で重要なのは【アフェクテッド(陽性)犬を産み出さない事】です。
キャリア犬を繁殖候補から一切排除してしまう事は、他の遺伝疾患とのバランスを崩しかねないので、むしろ危険とも言えます。
OFAでのDM検査が出来るようになったのが2012年からですので、現時点で、過去の繁殖結果を批判する事は無意味なことです。
何よりも重要なのは【未来の命】です。
キャリア犬でも素晴らしい資質を持っているのであれば、公表し合える同士からノーマル犬を選んで、その資質を次世代に繋げてほしいと思います。
※その為にも、『繁殖犬の検査』と『結果の公開』が広く浸透していかなければならないのです。

個体検査の重要性

  そして、もう一つ認識して頂きたい事は、両親が共にクリア(ノーマル犬)でない限り、産み出される仔犬たちは【それぞれ個別の遺伝子を持っている】という事です。 例えば、10頭産まれた仔犬のうち1頭を検査した結果がクリアだったとしても、それはあくまでも「その犬自身」がクリアだという事実であり、残る9頭および両親犬がクリアである証明にはなりません。 つまり、両親犬双方の遺伝子が分からない限り、残る9頭の中にアフェクテッドが出る可能性も十分あるという事なのです。

シェパードの未来からDMをなくしたい

繁殖犬の未検査による遺伝子の拡散は、大変危険です。
例えば、人気のオス犬が未検査のまま繁殖を続けた場合、万が一、そのオス犬が変異遺伝子を持っていたとしたら、瞬く間に変異遺伝子を持った命が産み出され、そのループを断ち切る事は容易ではありません。
未検査犬による繁殖は、非常にハイリスクなのです。

残念ながら、シェパードはDM以外でも遺伝的疾患を発症する割合が多い犬種だと感じます。
それでも、少なくともDMは私たち人間が努力することによってその重荷を犬に負わせずに済む可能性が高いのです。

野生動物のような、自然淘汰という厳しい環境による遺伝子継承とは異なり、シェパードの場合は、私たち人間の手による意図的な繁殖によって遺伝子が継承されてきたという歴史があります。
人の手を加える以上、未来の命のために、遺伝病についても常に私たちが学び続けていかなければ、と思います。